虫歯治療費の平均費用はいくら?治療費が払えない時はどうすればいい?
虫歯の治療費は、虫歯の進行度によって変わります。保険治療であれば3割負担となり数千円程度で済むでしょう。しかし自費診療なら、虫歯の進行によっては数万円から10万円かかるかもしれません。この記事では虫歯の治療費に関する平均相場について紹介します。また、虫歯の治療費が払えない時の対策についても解説するので参考にしてください。正しく虫歯の治療をして大切な歯を守りましょう!<この記事で分かること>・虫歯の治療費用の相場はいくら?・虫歯の治療費が高くなるのはどんな時?・虫歯の治療費を払えない場合はどうすればいい?
虫歯の治療費はいくらかかる?
虫歯の治療費はいくらぐらいが相場なのでしょうか。虫歯の進行度合いによって治療費は変わるもので、虫歯が進行しているほど治療費が高くなる傾向にあります。ここでは、虫歯治療にかかる費用の決まり方について確認していきましょう。虫歯治療にかかる費用の内訳
虫歯治療には以下の費用がかかります。初診料・再診料は必ずかかる費用です。その他の費用は治療段階に応じて変わります。- 初診料・再診料
- レントゲン
- 歯周基本検査
- スケーリング
- 入れ歯・被せもの
初診料・再診料
歯科医へ初めてかかる場合は初診料が必要です。初診料は虫歯の状態を確認して、治療計画を立てるために必要な費用となります。再診料は2度目以降にかかる場合にかかる費用です。2023年現在で初診料は288点、再診料は73点と定められています。初診料・再診料の費用相場は3割負担の場合「100円から1,000円」が目安です。レントゲン
歯医者では虫歯の進行度合いを確認するためにレントゲン撮影を行います。レントゲン撮影は虫歯治療をする際に歯科医師が判断材料とするものです。虫歯の進行状態のほかに骨の状態、顎の関節の状態、詰め物や被せものの適合状態を確認します。歯周組織検査
歯周組織検査は歯周病の症状を判定する際に行われる検査です。「歯周基本検査」と「歯周精密検査」に分けられます。スケーリング
スケーリングとは歯垢や歯石除去をする治療です。歯垢や歯石は口内トラブルの原因になるため、除去しなくてはなりません。スケーリングをすることによって虫歯や歯周病のリスクを防げます。入れ歯・被せもの
入れ歯や被せもの(セラミックなど)をする場合、素材によって料金が発生します。セラミックの平均費用は以下表の通りです。セラミックの種類 | 平均費用 | |
オールセラミッククラウン | 10~20万円 | |
e-max | 5万円~10万円 | |
ジルコニアセラミック | 10万円~15万円 | |
ハイブリッドセラミック | 4万円~8万円 | |
メタルボンド | 8万円~15万円 |
虫歯治療費の平均費用
虫歯は簡単な治療であれば1,000円から数千円で済む場合が多いです。虫歯が進行していると通院回数や治療内容の種類も増えるため、虫歯治療にかかる料金も高くなります。虫歯治療にかかる費用の内訳 | 3割負担の場合 |
初診料・再診料 | 100円から1,000円 |
レントゲン | 1,000円から2,000円 |
歯周基本検査 | 500円から1,000円 |
スケーリング | 500円から1,000円 |
保険診療か自由診療か
虫歯治療は保険診療か自由診療かに応じて料金が変わります。自由診療とは公的な医療保険が適用されない治療のことです。自由診療の場合、保険適用対象外となるため治療費を全額自己負担しなければなりません。保険診療では3割(あるいは1割、2割)の費用負担で済むところ、自由診療では治療費も高額になります。根幹治療による虫歯の治療方法
虫歯の治療をする際には根幹治療による治療方法がおすすめです。根幹治療とは、歯の中にある歯髄を取り除くことで虫歯の原因となる細菌等を除去する治療方法です。厚生労働省の統計によると根幹治療の成功率は91%とされており、信頼性の高い治療方法とされています。歯の中には「歯髄(しずい)」と呼ばれる神経や血管を含む組織があります。むし歯や外傷によって歯髄が感染したり壊死(えし)したりしてしまうと、歯髄を取り除く根管治療が必要になります。さらに一度根管治療を行ったにもかかわらず、再び根管が感染してしまったり感染が残っていたりする場合は、再根管治療が必要となります。引用:歯の神経の治療(根管治療)|厚生労働省根幹治療の種類には以下4つがあります。根幹治療は虫歯の進行が進んでいる場合に行われる治療方法です。保険診療なら1本数千円程度からとなりますが、自費診療なら6万円から10万円が相場となります。ただし費用は治療内容によっても違うため、事前に確認してみるのが確実です。- 抜髄(ばつずい)
- 感染根管治療
- 再根管治療
- 歯内療法外科
抜髄(ばつずい)
抜髄(ばつずい)は歯髄炎になった歯髄を除去する治療方法です。歯髄は歯に通っている神経のことで、歯髄が炎症を起こすと知覚過敏など虫歯の原因になってしまいます。抜髄によって痛みの原因となる歯髄を除去する虫歯治療方法です。感染根管治療
感染根管治療は歯の根の管にある細菌などを取り除く治療方法です。神経が死んでしまった歯を放置していると細菌が繁殖してしまい、他の健康な歯にも影響を与えてしまいます。感染根管治療で細菌の繁殖を防ぐことで虫歯の進行を食い止めることが可能です。再根管治療
再根管治療とは、過去に根幹治療をした歯に対して再び根管治療を行う治療方法です。最初に根幹治療を行った後に何らかの理由で細菌に感染してしまった場合に再根幹治療を行います。歯内療法外科
歯内療法外科は根幹治療で治らない場合に施す外科治療です。歯肉を切開して治療を行い、病巣にアプローチします。根幹治療によって細菌を除去してから歯内療法外科という方法をとるのが一般的です。虫歯の進行度によって治療費は変わる
虫歯の治療費は進行度によって変わります。初期段階の虫歯であれば治療費はそれほどかからず、数千円で済む場合が多いです。虫歯が進行しているほど治療費は高くなります。保険診療か自費診療かも、金額が変動する大きな要素です。自費診療となるインプラントなら、費用は高額になるでしょう。次の項ではひどい虫歯の治療費について紹介します。ひどい虫歯は治療費が高い?
虫歯の状況が進んでしまっており、痛みがひどい場合は治療費が高くなる傾向です。また、自由診療のように保険が適用されない場合は治療費を全額自己負担しなければならないため、結果として治療費が高くなってしまいます。虫歯の進行度合いに応じて変動する治療費について確認しましょう。虫歯の神経治療をする場合
虫歯の神経治療をする場合は治療費が高くなります。虫歯は初期段階で治療すれば神経に届いておらず、簡単な治療だけで治る場合が多いです。虫歯が進んでいるほど治療が難しく、大変な治療をするため料金も高くなります。虫歯の治療段階
虫歯治療には「CO(シーオー)」「C1」「C2」「C3」「C4」の5段階です。数字が大きくなるほど虫歯が進行しており、治療も難しいため治療費も高くなってしまいます。CO:虫歯の初期段階C1:エナメル質の虫歯C2:象牙質の虫歯C3:神経まで達した虫歯C4:歯冠が崩壊した虫歯「CO」はCaries Observationの略称で、虫歯の初期段階です。発生して間もない状態なので、フッ素塗布などの予防処置で済む場合もあります。C3、C4は虫歯が進んで神経に届いてしまっているケースです。通院回数や高価な治療器具が必要になるため、治療費が高くなってしまいます。なるべく費用を抑えるために、虫歯は初期段階で治療しましょう。一般的な虫歯治療は保険適用対象となるため、原則として治療費の3割のみ(※)を負担します。(※義務教育就学前の子どもは2割、70歳以上75歳未満の被保険者は所得に応じて2割または3割、75歳以上の後期高齢者医療制度の被保険者は所得に応じて1割または3割)自由診療をする場合は保険適用の対象外となり、治療費を全額負担しなければなりません。一般的に、最先端の高額な医療器具を使った治療や審美目的の治療は健康保険対象外となり、自費診療となります。【保険適用対象外となる虫歯治療の例】・セラミック治療・ホワイトニング・歯列矯正・インプラント虫歯の治療費が払えない場合はどうすればいい?
虫歯の治療費が払えないという場合は、以下の方法で解決できるでしょう。- デンタルローンを活用する
- 社会保障制度を活用する
- クリニックに相談する
デンタルローンを活用する
治療費が払えない時は、デンタルローンを活用する方法があります。デンタルローンは、虫歯の治療費をローン払いするためのサービスです。ローン会社と契約することで歯科治療費をローン会社が立て替えてくれて、分割払いができるという仕組みになっています。デンタルローンの用途は「歯科治療費」です。自費治療の場合や高額な治療をする際に月々の支払負担を軽減したい場合におすすめの支払い方法となります。通常のカードローンより金利が安い傾向にあるため、活用を検討するのもよいでしょう。社会保障制度を活用する
治療費が払えない場合は、社会保障制度や公的制度を利用する方法もあります。- 高額療養費制度
- 高額療養貸付制度
- 高額療養委任払い
- 限度額適用認定証
クリニックに相談する
治療費が払えない時は、クリニックに相談するのも方法の1つです。治療費を先延ばし、あるいは分割払いに対応してくれる場合があります。予算内で済むような治療方法を提案してくれるクリニックもあるでしょう。どうしても支払いが難しいという場合は事前に歯科医やクリニックに相談してみてください。歯医者はなぜ一気に治療しない?
なぜ歯医者は何度も通う必要があるのでしょうか。虫歯の治療は、一度では終わらずに何度も通院しなければならないことが多いです。歯医者の治療が一度で終わらないのは以下の理由があります。- 虫歯の進行度合いによって治療が変わるから
- 一気にまとめて治療できないから
- 保険治療のルールがあるから