インプラント周囲炎の症状とは? | 原因と予防方法について解説
インプラント周囲炎は発症に気がつきにくいので、日々のセルフケアが重要です。インプラントの治療を考える際、知っておきたい「インプラント周囲炎の症状」をまとめたので、ぜひご確認ください。その他にも「インプラント周囲炎の原因」や「メンテナンス・予防方法」について説明していますので、この記事を読んでインプラント周囲炎の予防に役立てていただければ幸いです。
インプラント周囲炎とは歯周病に感染した状態
インプラント周囲炎とは、インプラント周囲の組織が細菌に感染した状態のことです。歯の病気として有名な、歯周病と似た症状が現れます。人工歯の方が天然歯よりも抵抗力が強いようにも感じられますが、実際はその逆です。天然歯の方が抵抗力が強い傾向にあります。そのため、1度周囲炎を発症すると、骨吸収が急速に進行してしまうのです。自覚症状が出にくいこともあって、気がつけば重症化しているケースが多くあります。症状を悪化させないためにも、日々のメンテナンスが大切です。インプラント周囲粘膜炎
インプラント周囲粘膜炎は、インプラント周囲炎の初期の症状です。人工歯の根元にプラークが溜まると、歯周ポケットができ、放置しておくと以下の症状が現れます。- 歯茎の腫れ
- 出血
- 退縮
インプラント周囲炎
インプラント周囲炎は、インプラント周囲粘膜炎が進行した状態です。歯周ポケットが更に歯茎の根元へと進出し、それに伴い以下の症状が現れます。- 歯周ポケットから膿が出る
- インプラントがぐらつき始める
インプラント周囲炎の症状
インプラント周囲炎には、歯周病と同じ症状が多く見られます。しかしインプラントの性質上、歯周病と比べて気がつきにくい点が厄介です。早期発見には専門医の診断が必要不可欠ですが、日々の生活の中で気付ける部分もあります。特に以下の5つは要チェックです。- 歯肉の腫れや出血
- 刺繍ポケットの形成
- インプラント埋入部分からの排膿
- 歯肉の退縮
- インプラントのぐらつき
歯肉の腫れや出血
インプラント周囲炎の症状として、歯肉の腫れや出血があります。腫れは、歯肉に炎症が生じるものです。腫れた部分を指で押すと、歯肉から出血することもあります。歯科健診の際に、歯肉を押されたことがある方も多いでしょう。腫れや出血は日々のセルフケアの中で見つけられることもあります。歯周ポケットの形成
歯周ポケットの形成も症状の1つです。歯肉の腫れが進むと歯と歯肉の境目に隙間ができ、その隙間に食べかすなどが溜まって細菌が発生し、不衛生な状態となります。すぐに除去できればいいのですが、セルフケアを怠ると炎症が歯のより深い部分へと進んで、歯周ポケットが形成されてしまうのです。インプラントの埋入部分からの排膿
歯周ポケットが形成され細菌感染によって炎症が進むと、患部が化膿します。化膿した部分からは膿が出ることがあるのですが、それが排膿です。怪我をした時に出てくる膿と同じように、歯肉からの膿も独特の臭いを持っています。そのため、排膿によって口臭が酷くなってしまうこともあるでしょう。逆に、口臭によって排膿に気付くケースもあります。口臭が出たら、インプラント周囲炎の可能性を考えて受診してください。歯肉の退縮
歯肉の退縮とは、歯肉が徐々に後退していく現象です。細菌によって歯肉がや歯槽骨の破壊が始まると、歯茎が痩せていく歯肉退縮が起こります。歯が長く見えるようになるため、視覚的にもわかりやすい症状と言えます。インプラントとの結合部が露出することすらありますので気をつけましょう。インプラントのぐらつき
歯肉の退縮が更に進むと、インプラントを固定できなくなり、インプラントが徐々にぐらつき始めます。最初は小さなぐらつきです。しかし放っておくとどんどん悪化し、最悪の場合は抜け落ちてしまうこともあります。この時点まで進むと、インプラントを維持することが困難となり、抜かざるを得ません。ぐらつきが気になった時点で受診しましょう。インプラント周囲炎の原因
インプラント周囲炎には、いくつか原因があります。しっかりと予防するためにも、まずは原因から知っておきましょう。以下の3つはその代表格です。- 日々のメンテナンス不足
- 歯周病の治療不足
- 生活習慣や既往歴が原因
日々のメンテナンス不足
インプラント周囲炎の原因として、まず考えられるのが日々のメンテナンス不足です。口内のメンテナンスは欠かせません。人工歯であるインプラントになったからといって、日々のメンテナンスを怠らないようにしましょう。歯周炎の原因の中でも、メンテナンス不足は大きな割合を占めているからです。そもそもインプラント周囲炎は、口内環境が不衛生な状態から起こります。歯周病菌が増殖しない環境を維持していかなければいけませんので、しっかり歯垢を除去してください。そのためのオススメの方法は、以下の3つです。- ブラッシング
- デンタルフロス
- マウスウォッシュ
歯周病の治療不足
歯周病の治療不足も、インプラント周囲炎を引き起こす原因です。歯周病を既に患っている方の場合、完治しないままインプラントを行うとインプラント周囲炎が発症しやすくなります。なぜならインプラントが細菌に感染するリスクが高いからです。歯周病は治療が難しい病気であるため、歯周病を徹底的に治療してからインプラントを行うことが原則となっています。現在、歯周病の治療に取り組んでいる方は、まずはしっかり治療することから始めましょう。生活習慣や既往歴が原因
生活習慣や既往歴が原因で、インプラント周囲炎となるケースがあります。以下のような生活習慣や既往歴に該当する方は気をつけましょう。- 喫煙
- 歯ぎしり・食いしばり
- 口呼吸
- 糖尿病
インプラント周囲炎のメンテナンス・予防方法
インプラント周囲炎を防ぐためには、日々のメンテナンス・予防が何よりも大切です。インプラント装着後は、以下を心がけて生活しましょう。- 丁寧なセルフケア
- 歯科医院の定期健診
- 禁煙
- 生活習慣の改善
丁寧なセルフケア
インプラント周囲炎を予防するなら、日々の丁寧なセルフケアが必要です。以下3つを普段の生活で徹底しましょう。- ブラッシング
- デンタルフロス
- マウスウォッシュ
歯科医院の定期健診
インプラント後の歯茎ケアのために、歯科医院へ定期健診に行きましょう。セルフケアは重要ですが、1人では落としきれない汚れがどうしても生じてしまいます。そうした際に歯科衛生士や歯科医師にメンテナンスをしてもらうことで、綺麗な状態を保つことが可能です。- 歯垢・歯石のお掃除
- インプラントの状態のチェック
- その他の歯の状態のチェック
禁煙
インプラントの後の歯茎ケアで重要なのが、禁煙です。喫煙はインプラント周囲炎を発症しやすい原因の1つと言われています。場合によっては、インプラントが歯茎から脱落することもあるでしょう。喫煙者でインプラントを希望する際は、歯科医院への相談はもちろん、禁煙外来の受診も視野に入れてみてください。生活習慣の改善
インプラント周囲炎の予防では、生活習慣を改善することも大切です。糖尿病や貧血といった病気が原因で、インプラント周囲炎になることもあります。インプラントは総入れ歯と同じく長く付き合っていく歯の治療方法です。そのため、根本から生活を改善することで長持ちします。- 栄養バランスの取れた食事
- 食後のブラッシング
- 睡眠時間の確保