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インプラントの寿命は何年?インプラントを長く使い続けるためのポイント

インプラントの寿命は何年?インプラントを長く使い続けるためのポイント

インプラントは永久的に使えないとご存じですか? この記事では「インプラントの寿命」について解説します。 結論、インプラントの寿命は約10年~15年です。 ただし、ケアを怠っていると、平均寿命である10年~15年使い続けられない場合もあります。 その他にも「インプラントの寿命を延ばす方法」や「インプラントの10年~40年後」についても解説するので、ぜひインプラントを検討している人は、治療を受ける前の参考にしてください。

インプラントの平均寿命

  インプラントの平均寿命は、10年~15年と言われています。 セルフケアの頻度やインプラントのメーカー、治療を施した医師によっても異なりますが、平均は10年前後と考えておきましょう。 ただし、メンテナンスを受けていなかったり、セルフケアを行っていなかったりする場合は、寿命を縮めてしまう可能性があるので注意してください。 インプラントを長く使い続けるためには、術後のケアも大事です。

インプラントは半永久的であり永久ではない

インプラントには寿命があります。 「一度インプラントにしてしまえば永久的に使える」と思っている人もいるかもしれませんが、「永久的に使える」は間違いです。 インプラントは長期間使えますが、永久的ではありません。 定期的なメンテナンスによって長期間使えますが、それでも一生使えるものではないと理解しておきましょう。

入れ歯やブリッジとの寿命の差

  インプラントが一生使えないのであれば、「入れ歯やブリッジの方と変わらないのではないか」と考える人もいるかもしれません。 しかし、寿命で比較すると、インプラントの方が長く使えます。 平均寿命で比較した場合、以下のようになります。
  • ● 入れ歯の平均寿命……4年~5年
  • ● ブリッジの平均寿命……7年~8年
  • ● インプラントの平均寿命……10年~15年
入れ歯やブリッジは10年も持たないのに対して、インプラントは適切にケアすれば10年以上持ちます。 インプラントの方が最初にまとまった費用が必要になるデメリットはありますが、長期的に見れば、インプラントの方が経済的に優れていると言えるでしょう。

インプラントを長持ちさせるための方法

  インプラントは適切なケアをしなければ、10年も持たない可能性があります。 10年~15年の寿命は、あくまで適切なケアをした上での平均寿命です。 インプラントを雑に扱ってしまうと、数年で再手術を行わなければいけない可能性があります。 そこで、インプラントを長持ちさせる方法を解説します。 できるだけ長く使いたい人は、以下をしっかり守ってインプラントを使用してください。

定期メンテナンスを受ける

インプラントは、埋め込んで終わりではありません。 インプラントを埋め込んだら、定期的にメンテナンスを受けましょう。 定期的にメンテナンスを受ければ、トラブルなどの早期発見につながります。 メンテナンスの通院頻度は、インプラントを埋め込んでから1年以内であれば3カ月~4カ月に1度。 2年目以降は1年に一度メンテナンスを受けましょう。 後述しますが、定期的なメンテナンスを受けないと、再手術の際に保証適用外になる可能性があるので、しっかりメンテナンスを受けてください。

喫煙者はタバコの本数を減らす

  喫煙は、インプラントに悪影響を及ぼします。 喫煙習慣があると、術後の維持が難しくなってしまうのです。 治療についても、喫煙習慣がある人は非喫煙者と比べて、インプラントと骨の接合に時間がかかると言われています。 インプラント治療を受ける際に歯科医師からの喫煙に関する指導もあるので、歯科医師の説明のとおりに、禁煙するまたはタバコの本数を減らしましょう。

歯ぎしりや食いしばりを減らす

インプラントは入れ歯と比べれば丈夫ですが、極端な負荷には弱いです。 あまりにも負荷がかかってしまうと、脱落の原因になってしまいます。 そのため、歯ぎしりや食いしばりのクセがある人は要注意です。 顎に力をかけ続けてしまった結果、突然インプラントが脱落してしまうケースもあります。 寝ている間に無意識に歯ぎしりをしてしまう場合は、歯科医師と相談の上、マウスピースを導入すると良いでしょう。

骨を丈夫に保つ

  インプラントは顎の骨で支えられているので、骨の丈夫さが重要です。 インプラントは基本的には外れにくい構造にはなっていますが、骨自体が弱いと脱落してしまいます。 そのため、普段から骨を丈夫に保つための食生活などにも気を配りましょう。 たとえば、カルシウムを摂取したり、骨粗しょう症を招きやすい糖尿病予防をしたり、健康的な生活を心がけてください。 骨がもろくなったり弱くなったりした場合は、骨を造成するインプラントに変えなければいけません。

正しくブラッシングする

インプラントは人工歯であるため、虫歯にならないと勘違いしている人もいるかもしれません。 しかし、インプラントにおいても、ブラッシングは重要です。 ブラッシングを行わないと、インプラント周囲炎になってしまいます。 インプラント周囲炎とは、インプラント周辺の組織が歯周病に感染した状態です。 インプラント周囲炎が進行してしまうと、インプラントを取り外さなければいけない可能性も出てくるので、適切なブラッシングを心がけてください。

インプラントのメーカーにも注目

インプラントと一重に言っても、メーカーは様々です。 そのため、歯科医院で扱っているインプラントがどのような特徴のあるメーカーか確認しておきましょう。 メーカーによって、脱落しやすかったりトラブルが生じやすかったりするケースもあります。 また、「高いメーカーのインプラント=良いインプラント」ではありません。 お手頃な価格のインプラントでも、丈夫なものはあります。

インプラントの寿命が短くなる原因

  インプラントの寿命は、2つの原因で短くなります。
  • ● 感染症
  • ● 安さだけで歯科医院を選んでしまった
平均寿命である10年以上インプラントを持続させるためには、それぞれの原因に注意しましょう。 また、インプラントを埋め込んでからではなく、埋め込む前の歯科医院選びも重要です。 インプラントの寿命が短くなる原因について具体的に解説します。

感染症

インプラントの寿命が短くなる原因として、感染症があります。 菌が手術した箇所に入ってしまうと、インプラント歯周炎になってしまう可能性があるからです。 基本的に、インプラントの手術は無菌やそれに近い環境で行われます。 しかし、何かしらの原因で手術した箇所に菌が入ってしまうケースがあるのです。 インプラント歯周炎は治療後に発覚するケースもあるので、菌に対してしっかり対策を行っている歯科医院で治療を受けるようにしましょう。 また、治療後に発覚した場合でも、定期的なメンテナンスを行っていれば、ある程度は防げます。

安さだけで歯科医院を選んでしまっていた

  インプラントを安く提供している歯科医院もありますが、あまりにも安いインプラントには要注意です。 格安なインプラントは、国内未承認であったり、問診やカウンセリングがなかったりするケースがあります。 安全性が確保されていないケースもあるため、必ず確認しておきましょう。 基本的にインプラント治療は、1本あたり30万円~40万円です。 1本あたり10万円前後のインプラント治療は、避けた方が良いでしょう。 ただし、「安い=危険」ではないので、格安インプラントの際にも、歯科医院の説明をしっかり受けて、安全であるかどうか確認しておくと良いです。

インプラント装着から10~40年後はどうなる?

  インプラントを埋め込んでから10年後~40年後、どのような状態になるのか解説していきます。 10~15年の寿命は、あくまで平均寿命です。 なかには、20年以上使い続けられたケースもあります。 「実際20年以上も使えるケースはあるのか」「30年以上経過するとどうなってしまうのか」について、以下で解説します。

インプラント装着から10年後の状態

インプラントの平均寿命は10年~15年とされています。 そのため、インプラントを埋め込んでから10年後は、問題なく使用できるでしょう。 10年が経過すると、再手術が必要になる可能性があります。 再手術のタイミングについてはインプラントの劣化具合にもよるので、定期メンテナンス時に歯科医師と相談しましょう。

インプラント装着から20年後の状態

  インプラントの平均寿命では、長くても15年とされていますが、20年続くケースもあります。 一部の報告では、20年でも7割程度残るという例もあります。 その他にも長期的に機能させた例は多数存在しているので、20年インプラントを使い続けられるケースがないとは言い切れません。 もし現在15年を過ぎている場合でも、不安になる必要はないです。

インプラント装着から30~40年後の状態

インプラントの30年~40年後については、まだ研究が進んでおらず、確かなデータがありません。 しかし、1984年に手術した当時61歳の男性が、30年以上に渡ってインプラントを使い続けていたというケースもあります。 その他にも、ブローネマルク教授によって埋め込まれたインプラントは、その患者さんが亡くなるまでの40年以上の間、機能し続けたという例もあるのです。 現在は当時よりもインプラントについての研究が進んでいるので、将来的には30年~40年使い続けられるインプラントも開発されるかもしれません。

インプラントが寿命を迎えた場合

  インプラントが寿命を迎え、違和感がで始めたら、治療を行った歯科医院で見てもらいましょう。 基本的には、脱落してしまった部分を取り替えたり修理をしたりなどの方法で対応してもらえます。 ただし、根本から脱落してしまった場合は再手術が必要です。 以下では、「インプラントが寿命を迎えた際の対応」や「再手術が必要になるケース」について解説します。

保証期間内は無料対応

  インプラントが寿命を迎えた場合、保証期間内であれば無料で再治療を受けられます。 インプラントのメーカーによって異なりますが、保証期間はおおむね5年~10年です。 ただし、インプラントの種類によって保証の期間が異なる場合があります。 一般的なインプラントは「インプラント・アバットメント・上部構造」の3つからできていますが、なかには、上部構造とアバットメントが一体になっているものがあるのです。 このタイプのインプラントの寿命は5年と、短めに設定されているケースが多くあります。 保証期間については治療を受ける歯科医院で確認しておきましょう。

メンテナンスを受けていない場合は注意

インプラントの再治療は、保証期間であれば基本的には無料で再治療を受けられます。 しかし、定期メンテナンスを受けていない場合は要注意です。 定期的にメンテナンスを受けていないと、保証期間内であっても、無料で治療を受けられない可能性があります。 これは、メーカー側が「保証期間内の治療はメンテナンスを受けていることが前提」としているからです。 定期的なメンテナンスを怠ってしまうと、何らかの不具合があった場合に費用が発生してしまう可能性があるので、しっかりとメンテナンスを受けるようにしましょう。

歯周炎が進行している際にも再手術が必要

インプラントが脱落してしまったケースの他、歯周炎が進行してしまった際にも再手術が必要です。 歯周病の初期症状であれば、丁寧なブラッシングで緩和される可能性もあります。 しかし、歯茎まで進行してしまっている場合は、歯周炎の手術をして、インプラントを安定させなければいけません。 また、歯茎が痩せてインプラントの間に大きな欠損ができたり、インプラントが周囲の組織を咬みこんだりした場合には、インプラント自体を取り除く必要があります。 もしインプラントを入れられないほど歯茎が重症化してしまった場合は、部分入れ歯で対応するケースもあります。

インプラントは術後のケアが重要

インプラントを長く使い続けるには、術後のセルフケアや定期的なメンテナンスが大事です。 ただし、それでも平均寿命は10年~15年とされているので、定期的なメンテナンスを行いながら歯科医師の指導に従って、インプラントの再手術や再治療を行ってください。 また、インプラントを長く適切に使い続けるには、歯科医師の技術も関係してきます。 そのため、インプラントを埋め込む際には、歯科医院選びも重要視しましょう。