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ミニマムインターベンションとは?歯を削らない治療方法や虫歯を予防する方法についても紹介

ミニマムインターベンションとは?歯を削らない治療方法や虫歯を予防する方法についても紹介ミニマムインターベンションについて知りたいと悩んでいませんか?この記事では「ミニマムインターベンションとは?」について紹介していきます。結論、ミニマルインターベンションとは、できるだけ歯を削ったり、神経を取るなどを行わずに、歯の寿命を長くすることを目的にしている治療方法です。他にも「歯を削らない治療方法」や「虫歯を予防する方法」についても解説します。ぜひこの記事を参考に、ミニマムインターベンションについて理解を深めてみてください。

ミニマムインターベンションとは?

ミニマムインターベンションとは、人の身体に対する治療を最小限にする治療方法を指します。具体的には、歯を削ったり、歯の神経を削ったりしてしまう治療を最小限に抑えて、健康的な歯の維持を目的にしています。従来の虫歯の治療方法では、虫歯部分が広がるのを防ぐために、虫歯周辺全ての歯を削って銀歯に代えていた治療を行っていました。メリットについては、主に以下が挙げられます。
  • 歯質を多く残せる
  • 歯の神経を残せる
  • 外科的手術を減らせる
  • 麻酔が減って治療時の負担が減らせる
  • 治療中の痛みを最小限に抑えることができる
ミニマムインターベンションでは、CTやレントゲン、マイクロスコープなどを使用して治療を行うため、健康的な歯を削るのを防ぎ、身体への負担を最小限に抑えられます。そのため、高齢者の方でも気軽に治療を行えます。

歯を削らない治療方法

歯を削ってしまうと二度と元に戻らないため、なるべく歯を削らない治療を行うことが最善の策と言えるでしょう。具体的に歯を削らない治療方法については、以下が挙げられます。
  • ヒールオゾン治療
  • カリソルブ治療
  • ドックベストセメント治療
  • ウェルデンツ
  • プラズマレーザー治療
それぞれの治療方法について紹介していきますので、これから歯の治療を受けたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

ヒールオゾン治療

ヒールオゾン治療とは、強力な殺菌作用があるオゾンを利用することで、歯を削らずに虫歯の治療を行う方法です。海外を中心に様々な研究や治療も行われており、ヒールオゾン治療で約99%の虫歯菌を殺菌ができたという結果も報告されています。治療時間は40〜60秒で完了し、全く痛みがなく治療ができるため、痛みに弱い方でも、気軽に治療を受けられます。また、ヒールオゾン治療した歯は、再石灰化が促されやすく、歯を強くして虫歯の予防にもつながります。

カリソルブ治療

カリソルブ治療とは、虫歯にジェル状の薬剤を塗り虫歯箇所を柔らかくして、専用の器具で除去する治療方法です。具体的なカリソルブ治療の手順については、以下のとおりです。
  • 虫歯の象牙質へカリソルブを塗布する
  • 30秒待つ
  • 虫歯が柔らかくなったら専用器具を使用して除去する
  • 何度も同じ作業を繰り返す
  • 虫歯を除去したら詰め物を入れて治療を完了
虫歯を削る必要が無く、痛みが少ないメリットがあるため、麻酔を使用せずに治療を行えます。

ドックベストセメント治療

ドックベストセメント治療は、虫歯部分に殺菌作用がある銀イオンと銅イオンが配合されている「ドックベストセメント」を塗ることで、虫歯菌を殺菌できる治療方法です。歯の再石灰化を促進する効果があるため、虫歯を予防にもつながります。また、歯の神経を抜いてしまうような重症な虫歯でも、ドックベストセメント治療であれば神経を抜かずに虫歯治療が可能です。最近では、プラズマレーザーによる殺菌で前もって虫歯菌を除菌しておくことで、ドックベストセメント治療を短時間で行えます。このように、できるだけ短時間で治療を完了させたい方にもおすすめの治療方法と言えるでしょう。

ウェルデンツ

ウェルデンツとは、強度と弾力性のあるポロプロピレンという成分でできている部分入れ歯を使用した治療方法です。金属を全く使用しておらず、ゴムのような素材を使用しているため、噛み心地は自然歯とほとんど変わりません。しかし、毎日取り外してメンテナンスを行うことが必要になり、手間がかかってしまうデメリットがあります。

プラズマレーザー治療

プラズマレーザー治療では、高出力のレーザーによって、歯をあまり削らずに虫歯部分を取り除けます。従来では、歯の神経を取り除かなければいけない必要な症状でも、プラズマレーザー治療では、歯の神経を残せる可能性が高くなります。治療を早く完了でき、歯周病や虫歯の再発を防ぐなどのメリットも挙げられます。

虫歯を予防する方法

虫歯を予防する方法については、主に以下が挙げられます。
  • 歯磨きを入念に行う
  • 歯ブラシ以外のケア器具も使用する
  • フッ素入り歯磨き粉を使用する
  • 正しい食生活
  • 定期的なメンテナンスを受ける
それぞれの方法について紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

歯磨きを入念に行う

歯磨きを入念に行うことで、口の中の細菌が増殖を防いで、虫歯を予防にもつながります。また、歯ブラシは常に清潔を保つことで、口の中で雑菌が繁殖してしまうリスクを減らせます。歯ブラシは、常に清潔な状態を保つために、1ヶ月に1回を目安に新品に交換しましょう。

歯ブラシ以外のケア器具も使用する

歯ブラシ以外のケア器具も使用することで、歯ブラシだけでは落としきれない歯と歯の隙間の汚れを落としやすくなります。具体的に歯ブラシ以外のケア器具については、以下が挙げられます。
歯ブラシ以外のケア器具特徴
歯間ブラシ歯の間を効率的に磨くことができます。基本的には、ブリッジなどの糸が通らない箇所に使用します。健康的な歯に使用してしまうと、歯ぐきが下がってしまい食べカスが詰まりやすくなってしまうリスクがあるため、注意が必要です。
デンタルフロス細い糸を束ねて糸状にしたもので、歯間にある歯垢をかき出せます。歯と歯の間に入れたら上下に動かすことで、より効果的に歯を磨くことができます。虫歯や歯周病を予防はもちろん、口臭にも効果的に働きます。
タフトブラシ部分歯ブラシとも呼ばれており、小さく短い毛先の歯ブラシを指します。奥歯でもブラッシングができ、虫歯になりやすい箇所を集中的に磨くことが可能です。小さな子供の歯磨きにも適しています。
電動歯ブラシ毛先が回転式や振動するタイプなどの種類があります。歯ブラシに比べて効果的にブラッシングができ、短時間で歯磨きを行うことができます。歯にかかる圧力を一定にできるため、歯本体や歯ぐきに負担をかけること無くブラッシングが可能です。

幅広いケア器具があるため、自分の歯に合ったケア器具を選ぶと良いでしょう。

フッ素入り歯磨き粉を使用する

フッ素入り歯磨き粉を使用することで、歯の再石灰化を促進し、虫歯の原因とされている酸を抑制させるメリットが挙げられます。歯質を強化させる働きもあるため、歯の健康を維持させることにもつながります。フッ素入り歯磨き粉を選ぶ際には、「フッ素濃度1450ppm」と記載されている商品を選ぶと、虫歯予防効果を約5%アップできます。

正しい食生活

正しい食生活によって、虫歯菌の増殖を抑制できます。虫歯は、発酵性炭水化物を餌に活動しているため、糖分や炭水化物を摂りすぎないように注意が必要です。また、規則正しくバランスの取れた食生活によって、虫歯菌から発生する酸を唾液によって中和させて、健康的な歯を守ることができます。

定期的なメンテナンスを受ける

歯科医院で定期的なメンテナンスを受けることで、虫歯や歯周病の早期発見・早期治療が可能です。クリーニングも行うことができるため、歯を白くするメリットも挙げられます。毎日入念にケアをしても、磨き残しによって虫歯になってしまうリスクがあるため、定期的なメンテナンスや、ブラッシングの指導を受けましょう。

歯を削ってしまうデメリット

歯を削ってしまうデメリットをあらかじめ理解しておくと、歯を削る治療を受けてから後悔してしまうリスクを減らすことにもつながります。具体的な歯を削ってしまうデメリットについては、以下が挙げられます。
  • 虫歯になりやすくなる
  • 歯の強度が下がってしまう
  • 痛みが出る可能性がある
  • 神経を抜くリスクがある
それぞれのデメリットについて紹介していきますので、これから歯を削る治療を受ける予定がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

虫歯になりやすくなる

歯を削ってしまうと、削った箇所から虫歯になりやすくなってしまいます。歯の表面を削ってしまうと、エナメル質に凹凸ができてしまい、食べカスや歯垢、虫歯菌などが付着しやすくなってしまうリスクが高くなります。虫歯菌が付着してしまうと、歯の表面に凹凸があるため、餌の確保がしやすく、蕃殖してしまい、他の健康的な歯にも悪影響を与えてしまうかもしれません。また、虫歯治療で詰め物や被せ物などの治療を行ってしまうと、何年か後に二次虫歯になってしまう可能性があります。

痛みが出る可能性がある

歯を削ってしまうと、歯の神経に近づいてしまうため、痛みが出てしまうリスクがあります。冷たいものや熱いものなどで歯が染みてしまう方は、知覚過敏の治療が必要です。具体的に知覚過敏の治療方法については、以下が挙げられます。
知覚過敏の治療方法特徴
知覚過敏用の歯磨き粉硝酸カリウムが含まれている歯磨き粉を使用することで、歯の神経が過敏に反応してしまう症状を暖和させる効果が期待できます。しかし、市販で売られている知覚過敏用の歯磨き粉は効果が薄い可能性があるため、歯科医院から購入をおすすめします。
レーザー治療露出してしまった象牙質にレーザーを照射することで、歯の神経への過敏な反応を抑えられます。保険適用外になり、治療費が高くなってしまうデメリットが挙げられます。
マウスピース歯ぎしりが原因で歯に痛みが出てしまうケースもあるため、マウスピースを付けることで、歯ぎしりによる歯のダメージを防げます。
コーティング象牙質の表面に薬をコーティングすることによって、外部の刺激が予防可能です。コーティングは食事や歯磨きの繰り返しによって、剥がれてしまうため、定期的に歯科医院に通うことが必要です。
上記の方法を試しても、知覚過敏が治らない場合には、歯の神経を抜く必要があります。

ミニマムインターベンションについて理解を深めよう!

今回は、ミニマムインターベンションについて知りたい方に向けて、歯を削らない治療方法や虫歯を予防する方法などを紹介しました。歯を削らない治療方法については、以下が挙げられます。
  • ヒールオゾン治療
  • カリソルブ治療
  • ドックベストセメント治療
  • ウェルデンツ
  • プラズマレーザー治療
今回紹介したことを参考に、なるべく歯を削らずに治療を受けてみてください。